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言葉と物語、創作小説

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

恥の意識

「恥の意識と無謀な勇気と対象への愛があれば自然と技術は身についてくるものだ」みたいな文章を読んだ気がするのだが思い出せない。村上龍の文章だったはずだ。手元にある限りの村上龍の本をひっくり返したが、どこだかわからない。 「恥」とはなんだと思っ…

小説より

小説よりかは柄谷(行人)さんの書いてるもののほうがはるかに刺激的だし、的確だしね。僕なんかだと、少ない時間で本を読むときに、小説を読んで、ああ、楽しかったって終わるより、柄谷さんを読んで、ムム、こんな言葉があるのかと思う方をとるよ。(坂本…

プライド

絶望した時に発狂から救ってくれるのは、友人でもカウンセラーでもなく、プライドである。(村上龍『すべての男は消耗品である。』角川文庫) 対人支援職をしているが、相手に解決を求められることが多い。私は友人でもカウンセラーですらないので、困るし、…

男の筋肉

男性ホルモンのアンドロゲンにも、蛋白結合作用がある。このため、女性に比べ男性は筋肉質である。(菱沼典子『看護 形態機能学』医学書院) 筋肉質であることが男らしい、とされることが多い。太く固い腕や、厚い胸板にときめく女性は多いだろう。しかし、…

「お前を殺せたらなあ」

男は笑わなかった。おそろしく無表情で、なんだかさっき見た大蟻の顔にも似ていた。そのうえ男は、そんなふうに彼女を差上げたままでこう云った。「お前を殺せたらなあ」(北杜夫『夜と霧の隅で』収録『羽蟻のいる丘』新潮文庫) 男と女、それに女の子だけが…