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言葉と物語、創作小説

下手というのは、許せないこと

下手というのは、許せないことだからね。

村上龍『友よ、また逢おう』角川文庫)

 

 他人の作品を見るとき、簡単に「下手だなあ」と思ったりする。自分が傲岸不遜というわけではなく、シンプルにそう思ってしまうことがある。なのに、自分の作品に関しては自信満々なわけである(そうでなければ他人に見せるものなど作れはしない)。誰かに「下手だなあ」と思われることに過敏に傷ついたりして、下手を下手と受け止めることは難しいのかもしれない。でも、誰かに「下手」と言われたとき、だいたいは正しいのだ(場合によっては根性の悪い人が嫌がらせで言っていることもあるかもしれないが、そういうのはとりあう必要はない)。

 だが、作品として見るときには、「下手というのは、許せないこと」なのだ。それはうつくしいものを見たいという気持ちの裏返しかもしれない。うつくしいものを見たいという気持ちは人間の本能なのかもしれないとも思う。そういうとき、下手は許されないこととなるのだ。

 どうやったらうつくしいものを作れるのだろう?