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言葉と物語、創作小説

偏愛

偏愛は、強烈な好き嫌いを伴っている。世界中の誰もが嫌悪しても、自分はこの作品にシンパシーを覚える、それが偏愛だ。
村上龍すべての男は消耗品である。最終巻』幻冬舎

 どうしても好きな作品というのがある。誰が何と言おうと、この作品が好きだ、と言う作品が、数は多くないけれどある。そういう作品に対する感情は、ときめきに似たようなものがある。何度読んでもワクワクする。

 COMITIAに行ったとき、売れていなくてもこの作品が好きだ、という作品に出会うことが多い。「壁」のサークルで評価が高い作品ではなくてもこの人の作品が好きだ、この人の新刊は何としても欲しい、そう感じる作品に出会うことがある。そういう出会いを求めてCOMITIAに行っている気がする。

 偏愛する作品があるということは幸せなのだと思う。偏愛している作品を読むとき、何度読んでも幸福な気持ちになる。それは、至福の時だ。